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そんなある日だった。
「おいっ、共有できているか!!共有できているなら今すぐ反応してくれ!!」
騒々しい共有が僕の幻想の中を行ったり来たりしている。
なんだなんだ、どうせまたしょうもない商売目的の共有なんだろ…と思いながら、僕はその共有主にこう言った。
「あの、しょうもない共有なら今すぐここからログアウトしてもらえますか?」
「ち、ち、違うんだ。実は、俺は実施段階前の幻想社会のテストプレイをやらされたλ(らむだ)という者なんだ。だから、唯一現実と幻想を行き来することができる。」
「だからってなんなんですか。どうせ、またそうやって大金を奪おうなんて思ってるんでしょ。」
「そうじゃないんだよ。とりあえず、話を聞いて欲しいんだ。」
話してみなければわからないと思った僕は仕方なく
「話だけですよ。」と言った。
すると、その共有主はそうこなっくっちゃと言わんばかりに話を始めた。
「今お前が住んでいる幻想社会は、現実社会において相当な社会問題となっている。そのことは言わなくてもわかることだろう。今回話したいのは、それではなくて、今からの話なんだ。それは、二度と現実社会に戻ってくることができないと言われた、いわば、脱出不可能な幻想社会から、解放されるチャンスができたということだ。」
「ほ、ほ、ほっ本当ですか?!」
「まぁ落ち着きたまえ。なぜそんなチャンスができたかというと、それは私に届いた一通の手紙なんだ。そこには、『幻想社会の一人だけと共有し、謎を解き明かせ。そうすれば、幻想社会から全員を解放してやろう。ただし、問題を解く時は1人でやれ。』と書かれていたんだ。そこで、君の手を借りて、一刻も早く皆を助けだしたいんだ。わかったならば、早く下に共有してあるボタンを押すんだ!」
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